中高年の就活 個人事業主を焼き払う「インボイス」制度間もなく導入

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中高年の就活 個人事業主を焼き払う「インボイス」制度間もなく導入

筆者のような個人事業主、フリーランスの方々の約8割が知らないと言われる新税制「インボイス」。

筆者が知ったのは2019年に国税庁から「消費税の軽減税率制度に対応した経理・申告」なる15ページの小冊子が届いた時。

その小冊子には意味不明なことが書かれていました。

軽減税率制度の実施により、課税業者は仕入税額控除を行うためには、区分経理に対応した帳簿及び区分記載請求書等の保存が必要となります。他方、免税事業者は、自身の消費税申告の必要は必要がないため、仕入税額控除を行うことはありませんが、課税事業者との取引に際しては、区分記載請求書等の交付を求められる場合があります。

この文面は何を言っているのか最初はチンプンカンプンでした。

この文面を紐解くことで、実は大変恐ろしい新税制が始まることがわかりました。

以下、筆者なりの解釈で新税制「インボイス」の強烈な破壊力についてお話しします。

筆者は会計、税務のプロではありません。間違った解釈をしているかもしれません。詳しくは国税局、YouTube、ネット記事などにたくさんの情報があります。まずそこで把握して、できれば国税局、税理士・会計事務所などへ確認することをお勧めいたします。ちなみに対抗策は現時点で見当たりません。

新税制「インボイス」とは

新税制「インボイス」の骨子は下記の通りです。

  1. 仕事を発注して頂く会社にお出しする見積書に、インボイス発行適格事業者番号の記載が必要
  2. インボイス発行適格事業者番号は税務署に届け出を行い適格事業主になる
  3. 仕事を発注する会社はインボイス発行適格事業者番号の記載が無い場合、仕入金額のうち消費税上、消費税分を控除申請できない。よって発注者側は未インボイス発行適格事業者を排除することになる。
  4. 該当小規模事業主は税務署に届け出を行った時点で消費税の納税義務が生じる

これを別の言葉で簡単に置き換えると「1、000万円以下の小規模事業者の益税を認めない」いうことになります。

お勤めの方々にとっては「もらった消費税はちゃんと払え」「不公平だ、当然だ」といった反感を抱くことを承知で言います。

益税とは、例えて言うなら零細事業者の救済処置です。

筆者も会社勤めをしていた頃は「益税などとんでもない、サラリーマンは所得税を払い不公平だ」と思っていました。

しかし個人事業主になってみると、この益税を売上に組み入れなければ事業が成り立たないことがわかります。

恐らく個人事業主の平均営業利益率は数%程度ではないでしょうか。

インボイスはこの僅な営業利益をお国が召し上げるものです。

事業を成功させるには利益を出すこと。その公式は「売上―経費=利益」。

世のコンサルの方は大企業の事業改革提案で真っ先に経費削減の提案をします。

その経費の削減でまず着手するのが人員の削減です。人を減らして利益を確保。

大企業は何も困りません。

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個人事業主・フリーランスの危機的状態

個人事業主・フリーランスの方々は経費の削りしろなど無いばかりではなく、大半が持ち出しをしているのが実態です。

ならば「高く売って売り上げを上げるべき」と思う方もいらっしゃると思いますが、金額を上げて欲しいなどと得意先に言うものならこのご時世即刻取引停止です。

仕事を引き受けるとは、収入を得て同時にリスクも背負うことです。

納期に間に合わない、要求仕様が増えた時に「再見積りをさせてください」などと言ったら終わりです。

二度と仕事はありません。その分自己負担で頑張るしかないのです。

こうした環境に置かれた1、000万円以下の免税小規模事業者の数ですが、個人事業主約2、000万社の約半分、全法人の9%を占めます(単純計算ですが就労人口は約1、000万人でしょうか)。

2023年9月30日の猶予期間の後、その方々が益税がなくなります。

例えばこんな感じです。

  • 消費税込み年収990万円の事業者は90万円を失います
  • 消費税込み年収440万円の事業者は40万円を失います
  • 消費税込み年収330万円の事業者は30万円を失います

個人事業主・フリーランスの選択肢は4つしかありません。

1税務署に行き事業者登録を行い、課税事業主にインボイスを明記した見積りをするこの場合、すべての益税は納税
2インボイス発行適格事業者にならず消費税なしで仕事を引き受ける益税自体がありません(実質の収入減になります)
3非正規雇用になる不安定な状況に変わりはありません
4廃業中小企業が持つ、巧の技などが失われる恐れがあります

企業で働く方も他人事ではすまされない

厚生労働省では「働き方改革」の一環で副業の推進を図っています。

また会社を辞めた方々の中に個人事業主になる方もいらっしゃいます。

わたしの知り合いもリストラ・早期退職のあと一定数が個人事業主になっています。

サラリーマンの副業、個人事業主は免税零細事業の場合がほとんどです。

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またベンチャーなど新規ビジネスに挑戦し、苦しいスタートアップ時代に益税がなくなり、資金繰りで苦労することも想定されます。

ただでさえ消費税増税で消費が落ち込み、コロナ禍で日本経済は停滞。

インボイスはいつから

制度の導入は2023年10月1日です。

消費税増税の裏で、まるで時限爆弾のように仕掛けられた新税制「インボイス」

間違いなく日本の産業構造を支えている方々を苦難に陥れるでしょう。

消費増税の矛盾を正すのが先

余談ですが例えば軽減税率は企業の会計処理を苦しめます。

例えば夏の暑い日に社長が従業員に100円のアイスを差し入れるとします。

コンビニで買い、持ち帰るので消費税は8%。

でも会計上は交際費にあたり、仕入税は消費税法上10%でなくてはいけません。

そうなるとコンビニでアイスを買うときに、軽減税率対象のアイスを買う際に110円で買い、もちろん領収書の税額は10%でなくてはいけません。

一番困るのはこうした対応を迫られる現場で働く方々です。

現行の消費税だけでも様々な課題があるにもかかわらず、減税はおろか直そうともしない制度。

そして更なる苦しみを与えるインボイス制度の導入。

順番が違いやしませんか。

与党の政治家、国会で遊んでいる野党、財務省の皆さん!!

まとめ

こんな税制、誰が発案し、消費増税時に見えない形で盛り込んだのでしょうか。

過去に財政・経済政策を放置し、失われた20年間で自殺者が14万人も増えました。

いま再び同じような状況に突入しつつあります。

是非、インボイス該当事業者の方は、まずは検索エンジンで「消費税 インボイス」で調べてみてください。

新税制「インボイス」を知れば知るほど、感情的に「盗人に追い銭」となることでしょう。

今の政権にこの改悪法阻止の期待ができない以上、働く方々に不幸が訪れないよう祈るばかりです。

おっと筆者も政府の罠にかかってしまう十把一絡げの一人でした。

対策は、ない・・

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